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麗しきマチ

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会場は、鵜飼昭年(AUAU建築研究所)、伊藤孝紀(TYPE A/B)の提案映像とLMN(Layered MAP Nagoya)による都市分析映像、Over-Mappingと名付けた巨大なインスタレーションの3つの要素で構成された。
Over-Mappingは、床に設置した巨大な地図(7M×10M)である。名古屋城から徳川園までの界隈を1/250の縮尺で、住宅や屋敷など私有地と学校、公園など私有地、駐車場、空地など曖昧な土地に色分類し作成している。来場者には、Mapping-Boxという、マッチや消しゴムなど生活用品の表皮にマチのテクスチャー(断片)を貼り付けた(Mapping)モノが手渡される。来場者は、会場入り口でMapping-Boxを選び薄暗い会場に入る。
地図の上を歩き、座り、想像し、記憶を振り返り、マチを体感しながら、Mapping-Boxを地図の上においたり、積んだりする。このインスタレーションは、来場者の記憶とマッチの断片をOverlapさせ、
来場者が自発的にマチの像を描いていく「きっかけ」となる。
来場者は、Over-Mappingを体感し、身体と記憶を刺激された状態で、マチをフィールドワークして構築したLMNの映像や音により、マチの構造を理解していく。
そして、伊藤のヒト・モノ・コトの繋がりを誘発する仮設的プロセスの提案と鵜飼の虫食いになった街区に対する集住体へのプロセスを見せる提案へと進んでいく。
この一連の来場者の体感が、日常へとフィードバックされ、自らの街を「麗しきマチ」と実感できることを望んだ。

AU/AB(鵜飼昭年(AUAU建築研究所)と伊藤孝紀(TYPE A/B)とのコラボレーション)

名古屋市民ギャラリー矢田
2006 11 02-2006 11 04

撮影:吉村昌也